【事業者向け情報】外国人を雇うならこの「在留資格」を選べ!在留資格安全度ランキング!
こんにちは、名古屋の申請取次行政書士の王子です。
本日は事業者様向けの情報をお届けしたいと思います。
外国人を雇用することに関して
近年、様々な業種で人手不足が叫ばれています。
日本の人口は低迷し、今後更に人手不足は深刻化していくものと思われます。
そして、人材不足の解決案の一つが海外からの労働力の受け入れです。
人材を雇用する上で、これまで「外国人」を雇うことを躊躇ってきた事業者も、今後は視野に入れざるを得ない時代がやってくるものと思われます。
現場レベル(私の周囲)ではありますが、
「外国の子たちは真面目に働いてくれて日本の若い子たちよりよっぽど頑張ってくれてるよー」
なんてことをとある事業者様から聞いたこともありますので、
いざ雇用してみれば、期待以上の働きをしてもらえるかもしれませんよ?
とはいえ、コミュニケーションや文化、その他様々な入管制度上の縛りがあるため、やはり簡単には雇用に踏み切れない方も多いと思います。
特に、入管は外国人の活動のうち、「就労」に関してはことに厳しく制限しているフシがあるので、ともすれば事業者であるあなたが法律違反で罰せられてしまう可能性があります。(実際、違反行為をしている事業者様はいます。チクられたらやばいです)
ですので、今回は法令を遵守するという観点から、外国人を雇用する際に役立つ情報をお届けしたいと思います。
在留資格で選べば怖くない!
日本人を雇うのと共通する部分もあると思いますが、
外国の人材を雇用する上で考慮される点は様々あると思います。
例えば
・日本語が上手に話せる
・毎日きちんと真面目に働いてくれる
・特殊なスキルがある
・知り合いの紹介だから人間性などが安心できる
などなど総合的に判断して採用を決定されると思います。
しかし、外国人に関してはもう一つかなり大事なポイントがあります。
それは「在留資格」です。
在留資格は日本での活動に応じて28種あり、自分の在留資格で認められた活動以外は基本的に制限されています。
↑の意味がよくわからないという方は一度以下の記事をお読みください。
もし制限を破ればどうなるか?もちろん入管法違反で処罰される可能性が出てきます。
ですので、事業者様にまず行っていただきたいのは、
「自分の会社で行わせたい業務がどの在留資格に当てはまるか」を確認することです。
例えば
・エンジニアとしてシステム開発をしてほしい→在留資格「技術」
・通訳として外国人に対して営業活動を行ってほしい→在留資格「国際業務」
・料理人として腕をふるってほしい→在留資格「技能」
と言った具合です。
面接者の在留カードを確認し、その人の現在の在留資格が、会社で求める在留資格と一致していれば、転職のための入管への手続きは必要になりますが違反になることはありませんし、もし現在が違う在留資格であれば「変更が必要だな!」もしくは「雇っちゃダメだな!」と違反状態を未然に防ぐ助けになります。
まずは自分の会社の業務がどの在留資格に当たるかを確認してみましょう。
ただし、建設現場や工場での作業など、当てはまる在留資格がないものもあります。
「その場合は外国人を雇えないのか!」と言われればそうではありません。ちゃんと雇える方法がありますので以下に解説いたします。
どんな業種でも働ける魔法の在留資格-居住系在留資格-
先程も紹介した記事
【予備知識】在留資格制度を理解する① - 行政書士が教える外国人との付き合い方
で28種のうちに居住系と(身分系などとも)呼ばれる在留資格があることを解説しました。
具体的には
◯日本人の配偶者等
◯永住者の配偶者等
◯定住者
◯永住者
です。
これらの在留資格は就労に関するに制限がないので基本的にどの業種の仕事にも就くことができます。つまり、雇う側からしたら、細かい在留資格ごとの縛りを気にせず雇えるので楽!ということです。
これら4種の在留資格でふるいにかけてから面接を行えば在留資格の面で採用NGといったことがなくなるので効率の面でも良いですね。
外国人を雇用するなら!在留資格安全度ランキング!
先程の4種類の在留資格であれば法令違反になりにくいという面では特に違いはないのですが、在留する身分上の安定感を考慮してあえて順位を決めるとこうなるというランキングを作ってみました。あくまで私の主観ですのでご参考までに(在留資格ごとの優劣などではありませんのであしからず)
◯第1位 永住者(特別永住者)
永住者はその名の通り今後もずっと日本で生活していく予定の外国人です。
永住者は日本で生活する上での制限などがほとんどなく、ほぼ日本人と同様の生活が実現できます。銀行などの融資の条件も外国人の場合は永住資格を持っていることなどがあげられるくらいに信用度の高い在留資格であり、日本在留における安定感抜群!実際上日本での生活も長く、日本語も流暢な方が多いです。
雇用する上でも、細かい手続きを気にせず安心して雇い入れることができます。
◯第2位 定住者
続いて在留資格「定住者」です。
定住者の在留資格を得る条件は少し細かいのですが、基本的には日本人や永住者などとなんらかの家族関係にもとづいて滞在している方が多いです。
在留上の安定感も、永住ほどではありませんが高いので、長期的に雇用する上でも問題ないでしょう。在留カードももちろん「就労制限なし」です。
◯第3位 日本人の配偶者等
文字通り日本人の旦那さんや奥さん、お子さん(なんらかの事情で日本国籍でない)などの場合に当てはまる在留資格です。身分関係を根拠に日本に滞在しているので、就労に関しての制限はありません。離婚などの事情で「在留資格」の要件を満たさなくなる可能性があることを考慮して3位にランクイン。
◯第4位 永住者の配偶者等
第1位永住者の奥さんや旦那さんお子さんなどが当てはまります。
こちらも「日本人の配偶者等」と同様に就労に関する制限はなく、安心して雇用できます。ただし離婚などに注意。
以上、在留資格安全度ランキングでした。
便宜上順位付けしましたが2-4位はほぼ同等といった印象です。
ぜひ外国人を雇い入れる際の指針にしてみてください。
まとめ
今回は、「この在留資格を選べば法令違反の問題はない」という視点で解説しましたが、「上記に当てはまらないが、高い専門性を有した外国人を雇用したい」という場合は在留資格を変更したり新規に呼び寄せたりする必要もあると思いますので、柔軟に対応してみてください。
①自分の会社(事業所)で行わせたい業務がどの在留資格に当てはまるのか確認し、その要件に当てはまる外国人を採用する。
②在留資格の制限を無視すると法令違反になる可能性が!
③居住系在留資格(永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)は雇用する上で制限がないので安パイ!
以上
【おもしろ情報コーナー】徹底解説:名古屋入管 内部探索編 ②
こんにちは、名古屋の申請取次行政書士、王子です。
今回も、前回に引き続き名古屋入管の中を解説していきたいと思います。
(前回同様、今回使用する写真も実物をイメージしただけの画像です)
名古屋入国管理局の2階を探索!
1階入り口を入り、右手にある階段を登った先の施設をご紹介します。
【在留諸申請受付窓口(階段を登った先、正面の部屋)】
こちらが実際に様々な申請を行う窓口となっています。
まず、入り口を入って正面にあるレーンに順番待ちの整理券の発行機(タッチパネルを押すだけ)があるので、申請書類が完成・揃っている場合は兎にも角にも整理券をゲットしましょう。
壁のモニターに順番待ちの状況が映し出されているので、順番が呼ばれたらカウンターまで行って書類の受付をしてもらいましょう。
この申請の順番待ちなのですが、平日でもかなり混み合っていて1時間2時間は平気で待たされます。
公的には9時から受付となっていますが、整理券の配布は8時半から受付なので、待つのがイヤな方は早起きして入管に向かいましょう。
もし、書類が揃っているか不安な方は整理券発行機の横の受付が相談カウンターになっているので、そこで書類の確認をしてもらいましょう。
【ローソン・待合いスペース(2階に上がってすぐ右手)】
申請の待ち時間はひたすらに永いです。
ローソンで食料・飲み物を確保して、待合いスペースで休憩しつつ順番を待ちましょう。
証明写真や書類のコピーなども行えますが、並んでいることが多いので、事前に済ませてから入管に来るのが吉。
また、簡単な申請であれば(例えば資格外活動許可の申請など)待合スペースでサッと書いて提出することもできるので一階の総合インフォメーションで書式をもらって二階の待合いスペースで記入することもできるでしょう。
さらに、こちらのローソンには印紙売り場がレジの横に併設されているので、申請手数料がかかる場合にはこちらで購入することもできます、便利!
以上で一般の方が利用する施設の解説は終了です。
3階以上にも、難民申請窓口や、収容者向けの申請窓口があったりするので、必要に応じて訪ねてみましょう。
名古屋入管に関するどうでもいい情報
①「昼間なのに入管の中なんか暗くない?」
節電なのでしょうか?申請窓口や待合いスペースの蛍光灯が二列に一本しか設置されていません。外国籍の方々がたくさんいる場内と薄暗さが合わさりなんとも言えないカオス感が漂っている。
②「入管の窓口の人は公務員ではない?」
入管の窓口業務は一般入札で外部委託されているようで、名古屋入管の委託先は「株式会社りらいあコミュニケーション」というバックオフィス業務を取り扱っている会社さんらしいです。
これで番外編である名古屋入管の解説は終了です。
付き添いなどで初めて入管に行く方は、中で迷わないように参考にされてみてください。
以上
【おもしろ情報コーナー】徹底解説:名古屋入管 内部探索編①
こんにちは、名古屋の申請取次行政書士、王子です。
本日は前回に引き続き、番外編として名古屋入国管理局について解説して行きたいと思います。
初めて名古屋入管を訪れる方には参考になるような情報を、何度も行ったことがある方には「あるあるw」といった情報をお伝えしたいと思いますのでご参考にされてください。
(※今回使用している画像はすべて実際の風景を模したイメージ画像です。)
名古屋入国管理局の中を探索!
名古屋入管で通常の更新や変更や新規申請をする場合は、基本的に2階までを使用しますので、2階までの各窓口を紹介したいと思います。
今回は1階部分の紹介です。
【出頭申告窓口(1階正面入り口を入ってすぐ左)】
ここは、オーバーステイなどの入管法違反をしてしまった方が、そのことを申告するために設けられた場所です。(自首みたいな感じ)
なので、きちんと届け出や申請を行っていれば利用することはない場所です。
不法滞在者に対する処遇は、警察に職務質問などをされて捕まってしまった場合と、自己申告した場合とでは厳しさが全く変わってきます。
出頭申告すればすべてが許されるわけではありませんが、「在留特別許可」という方式で日本にいられる可能性が高くなります。(在留特別許可はいずれ解説します)
最善はオーバーステイなどにならないように気をつけて、この窓口のお世話にならないようにすること。
もし万が一更新を忘れてしまったような場合は、速やかに出頭申告窓口に出頭するか、一度我々のような専門家に事情を相談するなどしましょう。
【面会窓口(一階入り口を入って、正面の細い通路の突き当り)】
こちらは、残念ながらオーバーステイなどの入管法違反で収容されてしまった方に面会するための窓口です。
まず、一階の受付窓口で申込書を記入し、待合スペースで5分~20分位待ちます。記入の際に在留カードや免許証などの身分証が必要になりますのでご注意ください。書き方は受付の担当の方が丁寧に教えてくれますのでご安心を。
順番が呼ばれると、エレベーターで5階の収容・面会スペースに移動します。そこにも窓口があり、手荷物を鍵付きロッカーに預け入れます。スマホや、カメラなど電子機器は持ち込めません。
差し入れも可能です。ただし飲食物の持ち込みは不可なので、
「ファミマで肉まん買ってきたよー!」とか
「チョコ食って元気出せ!」とか
「カツ丼………食うか…?」とか
はできませんのご注意を。
差し入れがある場合は、警備官の方に差し入れ品目を提示して書面に事細かく記入するのがちょっと面倒ですが我慢しましょう。
面会に当たって特に注意したいのは面会受付時間、
【月~金 9:00~11:00 13:00~15:00】
で、お昼に行くと待ち時間ができてしまうのでご注意を!
【総合インフォメーションセンター(1階入り口入ってすぐ右手の部屋)】
各種手続きに関する問い合わせに対応する窓口で、日本語以外にも各種外国語で対応してもらえるので、手続きや申請書類についてわからないことがあればまずこちらに相談してみましょう。申請用の書式なども用意してもらえます。
え?それなら行政書士いらなくね?
確かにそれだけ見たらそう思われるかもしれませんが、窓口のスタッフさんは詳しい許可基準などは把握してません。「あなたの状況ならこの申請ですね。」とか「この書式ですね。」とかその程度です。複雑な事情を話しても親身に相談に乗ってもらえるわけではありませんので、過度な期待は禁物です。我々の存在意義は、皆さんの申請を全力でサポートして不安を解消しつつ申請を通すことにあります、、と弁明しておきます。
(あとこれはオフレコですが、窓口のスタッフさんは忙しいからかなんなのかわかりませんが常に半ギレです←個人の感想。役所なんてそんなもんだろと言えばそうなのかもしれませんが接客業としてどうなん?とは思います。)
ちなみに電話窓口はこちら↓
外国人在留総合インフォメーションセンター
TEL 0570-013904
(IP, PHS, 海外:03-5796-7112)
平日 午前8:30~午後5:15
※一般の方に間違い電話が掛かることが多発しているため,お問合せの前に電話番号の再確認をお願いします。
以上で名古屋入管1階の探索は終了です。
初めて行く場合はどこ行けばいいのかわからなくて迷うこともあると思いますので、ぜひ参考にされてみてください。
次回は2階を探索しましょう。
以上
【おもしろ情報コーナー】徹底解説:名古屋入管 アクセス編
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
今回は番外編として、外国人在留手続きの申請窓口である、入国管理局のうち、私が住む東海地区を統括する名古屋入国管理局の情報をお届けしようと思います。
今回は少し短いですがアクセス方法の紹介をしたいと思います。
名古屋入国管理局
◯所在地
〒455-8601 愛知県名古屋市港区正保町5-18
◯受付時間
9時~16時 (土・日曜日,休日を除く)
ただし,被収容者の面会については9時~11時,13時~15時
(土・日曜日,休日を除く)
実際には、申請窓口の整理券は8時半から配布しているので待つのが嫌な方は早めに出発しましょう。
◯愛知、岐阜、三重、静岡、富山、石川、福井の在留関係諸申請を受付。
◯アクセス方法
基本的には、電車or車で移動される方が多いと思います。
入管は電車で来ることを推奨しているので、電車でのアクセス法をご案内します。
もちろん車も駐車場完備ですので大丈夫ですが、混み合う日は駐車待ちが列をなすこともあります。。
名古屋入管への電車でのアクセス
名古屋駅から、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線での移動になります。
名古屋駅の太閤通口の銀時計から構内を南に向かうとあおなみ線の改札があります。
名古屋⇒名古屋競馬場まで行きましょう。
ホームはこんな感じ。
大体、毎時間0分15分30分45分に電車が来ます。
(電車内は行政書士会の広告があったりします←)
名古屋競馬場前駅までは13分でつきます。
名古屋競馬場前駅のホームに降りたら、、、↓
なんとすぐ隣にすでに見えています。
改札を出るとこんな感じになってます。
ほんとに歩いてすぐのところにあります。
からの、、、
到着です。
一番の難所は名古屋駅であおなみ線の改札に辿り着くところでしょうか?かなり奥まったところにありますのでご注意を!
外国の方と関係していると様々な申請の際に避けては通れない場所ですので、一度付き添いで行ってみるのはいかがでしょう?
次回は名古屋入管内部探索編と題して解説していきたいと思います。
以上
【在留資格別ポイント解説】「短期滞在」よくある相談解決編
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
今回は、在留資格「短期滞在」でよくあるお悩みに対して、どのような解決策があるのかという点について考えてみたいと思います。
お悩みがすべて解決されるわけではありませんが、今後の指針にしていただければと思います。
よくある相談「このまま日本で暮らしたい」に対する回答
①一旦帰りましょう
元も子もないような回答に見えるかもしれませんが、実際のところ「短期滞在」からあれこれ手を尽くしてもどうしようもないところがあります。
もしご本人のプロフィールを振り返って、運良く他の在留資格に該当していたとしても、短期滞在からの変更はできないルールになっていますので、一旦帰らざるを得ません。
それぐらい「短期滞在」はちゃんと自国に帰ることを前提とした在留資格なのです。
一旦帰った上で、再度査証(ビザ)申請を行い、きちんと正規の手続きを経て日本に上陸するのが一番の近道だと思います。
しかし、この提案をすると、
「いやー、、、なんとかなりませんか、、?」と渋られる方も多いです。
これまた近しい通訳さんに「なんで帰りたがらないんですかねぇ?」と質問したところ、
「日本と物価が違う国から全財産とは言わないまでも、そこそこ高いお金を出して航空券を買って日本に来ているので、必死なんでしょうね」とのこと。
実際のところどうなのでしょうか?(←皆さんへの質問)
②日本人or永住者と結婚しましょう
これもまた無茶な提案のような気がしますが、就労系の在留資格の条件に全く当てはまらない人の最後の砦的位置づけがなされているのが「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」の在留資格なのです。
以前の記事↓
【予備知識】在留資格制度を理解する① - 行政書士が教える外国人との付き合い方
で紹介した在留資格のうち、居住系(身分系とも)呼ばれる在留資格は、日本人・永住者と結婚さえしてしまえば条件が満たされるという、短期滞在以外で日本に来られない外国人にとってある意味希望の星とも言える在留資格なのです。
よく外国人絡みのニュースで「偽装結婚」がどうのこうのといったものがありますが、入管事情に疎い人からしたら「結婚詐欺かなにかかしら?」と誤解してしまいそうですが、実は在留資格の取得を狙った悪いことのことだったのです。
もちろん私が提案しているのは、
「きちんと恋愛関係のある、今後も一緒に仲良く暮らしていける結婚相手」を見つけましょうということですのであしからず。
ここでは詳しくは述べませんが、もし↑のような関係のお相手が見つかったとしても、すぐに「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」の在留資格が認められるかといえばそうではないので、そのことを一応心に留めておいてください。
そしてもう一点、たとえ結婚したとしても「短期滞在」の在留資格から「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」に変更の申請をすることは基本的にはできません。
やっぱり一旦帰ることになるのでそこも覚えておきましょう。
③就職先を見つける
こちらも先程と同じで最終的には一度帰国しないといけないのですが、「短期滞在」で来日し、企業と雇用契約を結び、呼び戻すというのは正攻法です。ただ、在留資格にはそれぞれ条件がありますので、「建設業者に単純労働で雇ってもらった!」とかはダメですので、各人の条件に合った場合のみだと覚えておいてください。
以上が短期滞在の旅行者にまつわる相談への処方箋です。
参考になりましたでしょうか?
最後に、実は「短期滞在」から別の在留資格への変更がなされた例が完全に0なわけではありません。実は例外もあります。しかし、普通の旅行者ではなかなか当てはまりませんので、原則として「一度帰る」という認識を持ってもらうのが大事です。
今回で、在留資格「短期滞在」の外国人に関する注意点は一通り話しきりましたので、次回は別の在留資格に関するお話をさせていただきます。
まとめ
①在留資格「短期滞在」から日本定住への道は高い壁がある、一旦帰ろう。
②日本人や永住者との結婚で日本にいられる道が開かれることもある。でも一旦帰ろう。
③条件が揃えば就職先を見つけて日本に住めるかも。でも一旦帰ろう。
以上
【在留資格別ポイント解説】「短期滞在」問題編②
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
前回の記事で、日本の入管制度は「短期滞在」の旅行者の在留に厳しい制限をかけていることがわかりました。
一言で言うなら、「期間内に必ず帰りなさい」という趣旨の制限です。
今回は、なぜそのような厳しい制限になっているのか考えて行きましょう。
簡単だからこそ厳しくー事前に誓約までさせるー
まず「短期滞在」の査証は比較的簡単に取得できると説明しました。(条件は簡単でも、書類自体は色々面倒ですが…)
他の在留資格と比較すると短期滞在だけが簡単なのです。
審査もそれほど深くは行われないと考えてもらって良いです。
その理由は、簡単で「数が多すぎる」からです。
観光客は何100万人といるのに、そんなに深くあれこれ調査してたら旅行に来てもらえません。
ですが、誰でも彼でも査証を出していたら日本の治安が悪くなるかもしれませんし、勝手に住み着く人も山ほど現れそうです。
そこで、日本の外務省は査証を交付する際に、短期滞在者関連のトラブルを未然に防ぐための外せないポイントを条件にして、きちんと用意しています。
うまくできてますねー…
在留資格「短期滞在」での査証発行の際の条件
これは大きく2つです。
まずひとつ目は前回も説明しましたが、
①在留期間内に必ず帰ること、そしてそれを誓約すること
そしてふたつ目の条件は①の実行を担保するものの存在です
②帰るために充分な資金が用意されていることの証明
①は、日本に勝手に住み着いたりする意思はないですよーということの表明です。本人あるいは、日本に呼び寄せる家族側が「本人をちゃんと帰らせます!」という形で誓約書を提出することもあります。
そして②は、「ちゃんと帰るための航空券が買えますよ!」「本国に仕事もあるので、日本に住み着いて勝手に働いたりしないですよ!」ということを証明するために、預金残高の証明や在職証明を提出することになります。
この2つの条件で最低限のふるい落としをかけて、
「全財産をつぎ込んで買った日本行きの片道切符で日本に行って住んでやる!」というような考えの外国人を入国させないようにしているのです。
こう見るとちゃんと考えられた制度になってるなー!と感心します。
ここまでを整理すると、
事前に「ちゃんと期限内に帰ります!」と自分で宣言した外国人が、
いざ日本に来て手のひらクルーで「やっぱ日本にいたい!制度厳しすぎ!なんとかして!」というのはおかしいことがわかりますよね?
「短期滞在」は”短期”だからこその簡易な手続きで日本に来られる制度なので、そこをきちんと理解することはとてもだいじですよ。
抜け穴見ーっけ♪
制度には抜け穴があったりするものです。
実は、先程の入管制度にも悲しいことに抜け穴があります…!
勘の良い方ならもうおわかりかもしれませんが、世界には来日する際「査証(ビザ)が不要な国」があるのはご存知ですね?
そうした国の人にとっては、帰るなんて誓約した覚えも無ければ、帰りの船賃なんて必要ないのです。とにかく日本に来て暮らしたい!という目的を持った外国人が「短期滞在」を利用することを防ぐことができません。
つまり、入り口の段階で、不純な動機を持った旅行者を止めることは完全にはできないという抜け穴なのです。
もちろん、査証が必要な国の中でも、事前に帰るという誓約をしたのに、日本に来て帰りたくないという方ももちろんいます。
では、短期滞在で日本に来てそのまま住みたいと願う外国人には、最終的にどんな結末が待っているのか…
短期滞在だけど日本に住みたい人の終着点
結局のところ、どうなっちゃうのという点ですが、
どうにもなりません。
というのも、
在留資格「短期滞在」は基本的に、在留期間の延長も他の就労系の在留資格等への変更も認められていませんので、申請しても門前払いです。
そういう制度なので、諦めてもらうしかないですね。
「専門家のくせに諦めろだなんて薄情だぞ!!」
「そ~だそ~だ!!」
「なんとかしろ!!」
という声が聞こえてくる気がしますし、
やはりなんとかしたいと考える方が相談にいらっしゃるのもわかるので、
次回は「どうしても!!!」という方向けに幾つか解決の糸口を提示してみようと思います。
まとめ
◯「日本に住みたい」という目的で、「短期滞在」で日本にきても、最終的にはどうしようもない(泣)
以上
【在留資格別ポイント解説】「短期滞在」問題編①
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
本日から、在留資格別の「コレだけは知っておいてほしい!」という点を解説していこうと思います。
今回は「短期滞在」です
これまで私が「短期滞在」に関する相談を受ける中で、「無茶をおっしゃるなー…」という方が結構多くいらっしゃったので、まず短期滞在がどういう性質の在留資格であるのかをおさらいしつつ、行政書士に相談するまでもなく相談(疑問)が解決するようにここで解説しようと思います。
今回の記事では問題編として、どんなお悩み・問題が外国人を取り巻く環境で起きているのかを解説します。
「短期滞在」は”短期”の滞在
いやいや、あたりまえ…
と思いますが、実は大事ですよ?
「短期滞在」は観光や、日本に住む親族への訪問、短期の商用(契約の締結とか視察とか)などを目的とした在留資格で、年間100万人以上がこの在留資格でビザを取得して(取得しなくてもOKな国もある)来日しています。そうして観光や親族の訪問をして帰る人がほとんどです。
しかし、以前の記事
前提:文化の違いがあることを理解する - 行政書士が教える外国人との付き合い方
でも解説しましたが、なんとかして日本にずっと住みたいというニーズが世界中に結構あります。そうした人たちの中で、とりあえず日本に上陸するというところから「日本にずっと住み続ける計画」をスタートしようと考える方々が結構います!
確かに”とりあえず日本に来る”という目的を達成するために「短期滞在」は最適な在留資格と言えます。
その理由を上げると、、、
①誰でも申請できる
⇒他の在留資格にはそれぞれの活動に合わせた厳しい条件がありましたね?
例)大学卒業、仕事の実務経験◯年、日本人と結婚している
短期滞在、特に観光を目的とした申請であれば、基本的に誰でもできます。
つまり無条件!コレは便利や!(ホントは条件あるので後ほど解説)
②査証(ビザ)が簡単に出る
⇒こちらも以前の記事で解説しましたが、
【予備知識】外国人が来日するための手続きが面倒な理由と、もっと簡単に来日できないの?ということの解説 - 行政書士が教える外国人との付き合い方
おさらいすると、ビザの取得の流れは2つあり、
ⅰ)短期滞在
ⅱ)短期滞在以外の在留資格
もちろん簡単なのはⅰ)短期滞在です。
理由は在留資格認定証明書の交付が不要だからです。
在留資格認定証明書がわからない方は↑の記事でサクッと覚えちゃってください。
③査証(ビザ)すら不要の場合あり!
⇒国によっては、来日する際にビザが不要な場合すらあります。
つまり、パスポートさえあれば来日できちゃう!
※韓国やアメリカなどを筆頭に2017年10月現在で68カ国あります。
とどのつまり、観光や親族訪問などの短期滞在でなら日本に来るのは簡単なんです。
ですが、簡単が故に、「短期滞在」の旅行者たちには絶対普遍の最強ルールが課せられています。
最強ルールそれは、、、
「在留期間内に絶対帰れ!」
というもの。そう、絶対、です!
(法律にはそうは書いてないけど制度趣旨を解釈するとそう言ってるってことね!あしからず!)
どういうことかという解説は次回にするとして、
「絶対に帰れ」だなんて、せっかく来日してこれから夢の「フォーエバー日本生活」送るぜ!やっほい!と思っていた外国人たちにとっては死活問題ですよね?
実はそういう方の家族や友人の方からの、「なんとか日本にいられるようにできないですか?」という相談が非常に多いのです。
【今回のまとめ】
◯短期滞在はあまりにも簡単に日本に来られる!
◯その代わり「期間内に必ず帰りなさい」という制約がある
◯日本に住みたいのに困っちゃう!という外国人相談者多数!
なぜ日本の入管制度は短期滞在者に「期間内に必ず帰れ」なんて言うのでしょう?
観光に来てそのまま住みたいときだってあるじゃん!と思いますよね?
次回は、そのなぜ?の部分を解説していきたいと思います。
以上