【予備知識】在留カードの見方・注意点
こんにちは、名古屋の申請取次行政書士、王子です。
本日は、在留カードの見方・見るときの注意点を解説したいと思います。
在留カードの見方
画像は法務省のサイトからお借りしたものですが、こちらを使用して解説していきたいと思います。
日本人にはあまり見慣れないものですが、日本に中長期(三ヶ月以上)滞在している外国人であれば全員がこちらのカードを持っています。
外出時は常に携帯する義務もありますので、お財布の中を確認したらだいたいみんな入ってるはずです。運転時の免許証みたいなものですね。
【外国人が在留カードを入手するまでの流れのおさらい】
◯羽田・関西・中部など大きめの空港(8か所ある)で入国手続きをした人
⇒その場で在留カード受取り
◯それ以外の空港で入国手続きをした人
⇒住所地の役所に住民票の届けをした後、書留で郵送されてくる
では在留カードを見る上での注意して見てほしい点を解説します。
名前や生年月日は見ればわかりますのでまずは、、
①「在留資格」欄
その人がどういう目的で日本に滞在しているのかという点を確認するために在留資格欄を確認しましょう。見本のTURNERさんの場合は「留学」の在留資格で滞在しています。
在留資格がなんであろうと別によくない?と思うかもしれませんが、在留資格にはそれぞれの目的である活動以外は基本的に制限されています。
例えば、
「留学」であれば働くことはできませんし、
「技術」であれば、医者として働いたり、仕事をやめて暮らしたりすることはできません。
なので、その人の普段の暮らしが在留カードに記載された在留資格に則ったものであることがわかれば、きちんとルールを守って滞在している外国人であることの証明になりますね。(TURNERさんの場合、毎日ちゃんと学校に通っていること。)
②在留期間(満了日)
いつまで滞在できるのかということが確認できます。基本的に満了3ヶ月前から入国管理局で更新手続きができます。
③就労制限の有無
見本のTURNERさんの場合「留学」の在留資格なので就労不可として働くことができなくなっています。
ここで質問
Q. 就労不可にも関わらず、TURNERさんはアルバイトをしてしまいました、法律違反になるでしょうか?
正解は…✕です!法律違反になりません。
在留カードの裏面を見ていただくとわかりますが、「資格外活動許可欄」に「許可:週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と書いてあります。
これは「留学」などの就労が許されない在留資格の場合などで、資格外活動許可の申請を行って、週28時間以内のアルバイトが許可されていることを意味しているので、TURNERさんは事前に許可を得て、アルバイトをしていたわけです。ひと安心!
以上のことからわかるように、裏面の資格外活動許可欄も大事なので必ず確認しましょう。
余談ですが、見本の例では裏面で
◯住所変更をしたこと
◯現在「在留資格の変更申請中」であること
がわかります。
以上が在留カードの見方・注意点でした。
知り合いにいきなり「免許証を見せて」なんてなかなか言えませんが、
例えば、
今後結婚を見据えて真剣に交際するつもりの相手とか、
面接に来て雇用する予定の人とか、
今後もきちんと付き合って行く予定であるのなら、一度在留カードがどうなっているのか確認させてもらうのは本当に大事だと思います。
まとめ
①外国人と長くお付き合いしていくつもりなら、在留カードの内容を確認させてもらうのはかなり大事
②注意して見てほしいポイントは「在留資格」「在留期間」「就労制限の有無」「資格外活動許可欄」
以上
【予備知識】外国人が来日するための手続きが面倒な理由と、もっと簡単に来日できないの?ということの解説
こんにちは。申請取次行政書士の王子です。
前回までの記事で、
①本国で査証(ビザ)を取得⇒入国の推薦状の役割を果たす
②来日、空港で入国審査、事前に取得した査証と本人を審査して、OKであれば在留資格が与えられる
という流れを解説しました。
つまり審査が二段階になっているということですね。
今回は、なぜこのようなまどろっこしい制度になっているか、そして、もっと簡単に日本に来ることはできないのか?という点について解説します。
二段階審査の理由
結論から言うと、これは管轄省庁の違いからくるものです。
日本での在留についての事務手続き(在留資格の付与)は法務省の管轄です。
THE 縦割り行政の弊害!
実はここで、さらなる問題が出てきます。
査証(ビザ)にはあらかじめ在留資格を指定して申請し、発給がなされますが、観光を目的とした「短期滞在」ならまだしも、それ以外の中長期の在留を目的とした在留資格の条件は複雑で審査も厳しかったはずです。
それを、管轄違いの外務省で、しかも海外の出先機関である大使館で正しい判断(この人は◯◯の在留資格で入国して大丈夫そうですよー!という判断=ビザの発給)が行えるでしょうか?否!
つまり、大使館はビザの発給をする際に、【ビザの申請内容の中で希望の「在留資格」の条件を申請者が満たしていること】を知りたいのです。(大使館側では判断できないから)
実際の来日手順ー在留資格認定証明書の取得ー
では、実際上の手続きの流れはどうなっているのかというと、
【実際の来日手順】
①事前に日本の入国管理局に、来日を希望する外国人が希望する「◯◯」の在留資格の基準を満たしていることを認定してもらう「在留資格認定証明書の交付申請」
②①で取得した「在留資格認定証明書」を、来日希望の外国人に送付して、ビザ申請の際に添付して申請を行う
③②で取得した査証(ビザ)をもって来日、上陸許可を受け、日本での生活スタート
これまで説明した大使館での査証(ビザ)申請の前に、日本で在留資格の条件を満たしていることのお墨付きを得るステップが追加されました。
実際上は、このような3段階の審査になっているのです。
在留資格によって審査期間の長短がありますので、長いものだと①の審査で3~4ヶ月かかったりします。
更にビザの発給にもそれなりの時間がかかりますので、かなり大変な手続きになることがわかりますね・・・
注意点として、
この3段階審査は、観光などの「短期滞在」には適応されません。
「短期滞在」の在留資格での入国は、中長期の在留資格と違い非常に簡単な基準となっているため、先程の①「在留資格認定証明書の取得」のステップは省略されます。
つまり
◯観光などの「短期滞在」の在留資格での来日
⇒大使館へのビザ申請から始まる2段階審査
◯「短期滞在」以外の中長期在留資格すべての来日
⇒日本の入国管理局への「在留資格認定証明書の交付申請」から始まる3段階審査
となります。
結構大事ですのでぜひ覚えておいてください。
もっと簡単に来日する方法ー査証(ビザ)の免除ー
今までの説明を受けて
「日本に来てる外国人全員こんな面倒な手続きしていたの??」
という疑問が浮かんだ方もいるでしょう。
実はそうではないのです。
国家間の取り決めでお互いに
「観光の場合はビザの手続き省略ってことでOKにしようや」
ということになっている国がたくさんあります。
日本人が海外に行くとき、あまりビザのことを気にせずにいられるのは、実はこの協定をたくさんの国と結んでいるからなのです。日本に生まれてありがたや・・・
もちろん、すべての国がこの査証(ビザ)免除に該当するわけではないので、きちんと本国の日本大使館で申請をして短期滞在の査証を手配している方もいます。
これについて注意すべき点は、「短期滞在」の場合のみ適応される、ということです。
中長期の在留資格の場合はもれなく査証(ビザ)申請が必要になりますのでお気をつけください。
ちなみに、免除される国の一覧は以下の通り
※2017年7月1日よりアラブ首長国連邦が追加となり現在は68カ国
上陸許可の際に付与される在留期間は,
アラブ首長国連邦は「30日」
その他の国・地域は「90日」
国ごとに細かい条件があったりしますので詳しい情報は外務省のサイトでご確認ください。↓
まとめ
◯来日手続きが面倒なのは外務省と法務省の管轄違い(縦割り行政)のせい!
◯観光などの「短期滞在」の在留資格での来日
⇒大使館へのビザ申請から始まる2段階審査
◯「短期滞在」以外の中長期在留資格すべての来日
⇒日本の入国管理局への「在留資格認定証明書の交付申請」から始まる3段階審査
◯ビザ免除国の方は観光などの「短期滞在」であればビザ申請なしのパスポートひとつで気軽に来日できる!
今回の説明はのちのち解説する問題に直結しますのでぜひしっかり覚えて頂きたいです。
ここまでの話を理解していれば、外国人の入国時の流れをほぼ理解したといっても過言ではありません。
海外の知人・友人・恋人等を呼び寄せる際の知識としてぜひご活用ください。
【予備知識】在留資格制度を理解する②
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
本日は、日本への入国の際に、どのように在留資格を得るのかという点についてわかりやすく解説できたらと思います。
外国から友人・知人・恋人を呼び寄せる際には必須の知識になりますので、ぜひここで覚えてしまいましょう。
日本入国に向けた手続きの流れ
まず、前提として、パスポートと査証(ビザ)が必要なことは以前の記事で解説しました。↓
【予備知識】外国に行くために必要なもの(一般的に) - 行政書士が教える外国人との付き合い方
ネタバレをすると、実は査証を日本大使館に申請する段階で、自分がどの在留資格に当てはまり、どういった活動を行いたいのかを申請書に記載しなければなりません。
なので、在留資格に関する知識がないと、そもそも査証の申請すら難しくなります。
自分の状況を把握して、希望する活動がどの在留資格に相当するのか、希望する在留資格の要件に当てはまっているか、当てはまるならそれを証明する資料を用意して、申請を行わなければなりません。
在留資格を特定し査証を申請、みごと査証が交付されたとしましょう。
日本の場合、査証はパスポートに貼り付けるシールタイプで交付されます↓
ここに在留資格が指定された状態となります。(見本画像では在留資格「短期滞在」)
おおおお!これで在留資格が与えられて晴れて日本に入国できるのか!!
っと、それはまだぬか喜びなのです。。。
なんで!在留資格書いてあるじゃん!
と思いますが、実は査証は入国の許可証ではなく、推薦状的な役割を持つ代物なのです。
つまり、査証が意味するところはこうなのです↓
✕「入国オッケー!!」
◯「入国しても大丈夫そうな人ですよ!!」
では、最終的に日本入国のゴーサインを出してくれるのはどこなのか、それは、
日本の空港にある入国管理局の支局にいる入国審査官なのです。
入国審査官がその目で本人と査証を確認して、大丈夫だと判断されればようやく在留資格が付与されるのです。
裏を返せば、せっかく査証をゲットして日本の空港まで飛行機に乗ってやってきたのに、審査次第では追い返される可能性もあるということです。。
審査を通過すると上陸許可の証印(シール)がパスポートに貼付されます。(写真左)
短期滞在の場合は、これがそのまま在留資格を証明するものになるので超大事です!
在留期間が3ヶ月以上の中長期滞在者については、在留カードという外国人版の免許証的なものが交付されます。大都市の大きめの空港ではその場で交付されますが、それ以外では住所地を市区町村に届け出た後に入国管理局から書留の郵送で交付されます。
お疲れ様でした。これで晴れて日本入国です。
入国後は
◯各人の在留資格に許された活動以外は行わないこと。
◯在留期限は必ず守ること。
に気をつけてください。
ここまで読まれた方で、
「えっ、、、だいぶめんどくない??」
と思われた方も多いのではないのでしょうか。
なので、次回は
◯なぜ本国にある大使館と日本の空港で二回も審査を受けなければならないのか?
◯外国人みんなこんな面倒な(査証申請などの)手続きをして来日しているのか?
という点について解説しようと思います。
以上。
【予備知識】在留資格制度を理解する①
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
前回はパスポートと査証(ビザ)について解説しました。
今回は、日本への入国手続きについてより深く理解するために「在留資格」について解説します。
在留資格は日本で外国人と付き合う上で、かなり重要な事柄ですのでぜひ覚えておいてください。
在留資格とは
日本の出入国管理のルールを定めた入管法には、28の在留資格が定められています。
外国人が日本に入国する際には、日本で行う(予定の)活動が28の在留資格に当てはまっていなければならないというルールがあります。
例えば…
◯観光したい⇒短期滞在
◯勉強したい⇒留学
◯通訳の仕事がしたい⇒人文知識・国際業務
裏を返せば、28の在留資格に当てはまっていなければ、どんなに日本に来たくてもそれは無理ということになります。
間違いとして多いのは、就労系の在留資格です。
「就労」という大きなくくりの在留資格は無く、様々な仕事に合わせて細かく在留資格が別れています。
例えば…
◯通訳の仕事がしたい⇒人文知識・国際業務
◯料理人として働きたい⇒技能
◯エンジニアとして働きたい⇒技術
といった具合にかなり細かいです。
さらに、それぞれの在留資格には厳しい条件があり、◯◯したい、✕✕になりたいと言って自由に在留資格を選べるわけではありません。
日本で中長期的に暮らすためのハードルは意外と高いことがおわかりいただけるかと思います。
在留資格28種
次は28種類の在留資格をざっと見てみましょう。
19.介護は今年の9月から実装されたばかりの在留資格です。
これら28種類全てに細かい条件(要件)が指定されており、それらを満たしていなければ、該当の在留資格が得られません。
図の中で、活動資格・居住資格などとカテゴリー分けがなされていますが、それはどういうことか解説します。
活動資格は、自分の在留資格に対して許可されている活動以外は行うことができません。例えば、留学で来日したにもかかわらず就職して働いてしまった場合、それは法律違反になってしまいます。かなり窮屈な縛りと言っても間違いはないですね。
自由に転職したり、仕事や学校をやめてニートになったりすることももちろん許されません。
では居住資格はどうでしょう?
居住資格は【身分系の資格】などという呼び方をされることもありますが、こちらは活動資格の人たちとは異なる、特殊な条件を満たした人に与えられる在留資格です。
具体的には、家族に日本人または永住者がいることです。(家族=配偶者・親)家族関係が在留の根拠になるので、活動資格のように、指定された活動を継続し続けなければ日本にいられないなんてことはないです。また活動に制限がないので、自由に就職したり、学校に通ったりできます。家族関係に変更が生じたりしなければかなり安定感のある在留資格であると言えます。
友人や知人に外国の方がいる人は、その方がどんな在留資格で来日しているか訊いてみるのも面白いかもしれませんね。(デリケートな情報と感じる方もいるでしょうから無理やり聞き出そうとするのは✕ですよ!)
さて、では実際に外国から日本に来る際に、どのように在留資格を得れば良いのかという点について次回は説明したいと思います。
【予備知識】外国に行くために必要なもの(一般的に)
こんにちは。申請取次行政書士の王子です。
前回のお話の中で、日本に来るには在留資格が必要というのが分かりました。
ではどのようにして在留資格をゲットすればよいのか?という話の前にもう一つご説明しなければならないことがありますので、今回はその説明となります。
前回に引き続き、
「外国人がどのような手続きで日本に来て暮らしているのか」
ということを体系的に理解したいという方以外は飛ばしていただいても結構です。
外国に行くために必要なもの
日本に限らず、ある国の人が外国に行くときに必要なものとして、大体コレは必要と決まったものはないのでしょうか?
実はあるんです。
それはパスポートと査証(ビザ)です。
パスポートは各国がその国民に発行する身分証明書です。
査証(ビザ)は行きたい国において入国を管理する機関が発行する【あなたなら入国しても良いですよー】という意味合いの事前審査が行われたことを表す証票です。
各国の入国管理制度はそれぞれ自由であると前回の記事で説明しましたが、↑の2つについてはほとんどの国が採用しているので、「パスポートと査証を用意すれば外国に行ける」と考えてもらって結構だと思います。(あとは飛行機のチケット…)
(査証については不要な場合があるのですが、それは違う記事で説明します。)
ではそれぞれの取得方法を見てみましょう。
パスポートの取得方法
国によって発行する機関が異なるので、ここでは日本の場合について解説します。
(外国については各自でお調べくださいm( )m)
日本のパスポートは、本人からの申請に基づいて外務省が発行します。
とはいうものの、本当に外務省の省庁に行くのではなく、申請者本人が住民登録している都道府県のパスポート窓口に行き、必要書類などを提出すると、約1週間程度でパスポートが交付されます。
手数料は有効期限によって変わりますがだいたい2万円あれば足ります。
青が男性用。赤が女性用です。
青が有効期限5年。赤が有効期限10年です。
ちなみに名古屋の方はこちらに問い合わせください↓
愛知県 県民生活部 県民生活課【愛知県旅券センター】
〒450-6015 名古屋市中村区名駅1丁目1-4 JRセントラルタワーズ15階
電話:052-563-0236
タワーズにあるのは便利ですね←
査証の取得方法
査証は自分の出身国または居住国にある、相手国の大使館・総領事館に申請して取得します。例えば、フィリピンの方が日本に観光で来たいとするなら、フィリピンにある日本大使館に申請をして事前の審査を受けて発給を受けることになります。
審査期間は申請内容によってまちまちで1週間で発給される事もあれば1ヶ月以上かかる場合もあります。
さて無事にパスポートと査証を手に入れられれば、ついにお目当ての外国へ出発です。
基本的には、この手続きで海外に行くことが可能になります。
でも、あれ??
日本に来るには在留資格が必要じゃなかったん??
そうなんです。
まだパスポートと査証しか手に入れてないですよね?
では在留資格はどのようにして得るのか、
そのことについては次回の記事で解説します。
まとめ
◯海外に行くには兎にも角にもパスポートと査証!
◯日本の場合、パスポートはパスポート(旅券)センターで発給!
◯査証は自分の国にある相手国大使館に申請して取得する!
あとは飛行機のチケットを持って目的地へ出発!
以上
【予備知識】出入国管理制度を知る
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
本日のテーマは出入国管理です。
少し学問的な話も出てくるので、
「外国人がどのような手続きで日本に来て暮らしているのか」
ということを体系的に理解したいという方以外は飛ばしていただいても結構です。
出入国管理制度とは
出入国管理とは…
国境や空港、港など、人が異なる国家間を出入りする場合に、当該国(政府)がその出入国を管理・情報把握することをいう。
英語で言うと Immigration Control もしくは Immigration と呼び
「イミグレーション」として日本語化している。
これはWi◯iの抜粋ですが、簡単に言うと【国が人の出入りを管理すること】です。
なんでそんなことをするのかというと、勝手に入ったり出たりされたら困る場合があるからです。
具体的には、国防、治安対策、経済・労働事情、外交関係など、様々な事情を考慮して行われています。
外国人を入国・在留させるかどうかは各国が自由に決定してよいという取り扱いが国際習慣法で確立していて、それぞれの国が人の出入りを独自に管理しているのが現状です。
つまり・・・
「人類みな兄弟」とはいいつつ、どの国もよそ者に自分の家に勝手に入ってきてもらっては困ると思っているんですね・・・
国家が外国人を受け入れる義務はなく、特別な条約でもない限り、外国人を自国に受け入れるかどうか、また、受け入れる場合にどのような条件を付するかは各国家が自由に決定できるとされているので、我々の日本も我々の好きなように制度を定めて管理しています。
では実際にどのような管理がなされているのかというと、実はアメリカの制度をまねした「在留資格」という制度を作って外国人を管理することにしています。
これにより、漂着したり不法に入国してきた外国人でも無ければ、日本にいる外国人はほぼ100%それぞれの「在留資格」を持って暮らしています。
この在留資格は今後も頻繁に出てきますのでぜひ覚えておいてください。
入管法
どのように在留資格が与えられるのか、またどのような在留資格があるのかについては、「出入国管理及び難民認定法」(通称「入管法」)という法律に事細かく記載されています。
そして、その事務を担うのが実行部隊である入国管理局です。(通称「入管」)
全国8都市に地方入国管理局があり、その他に、主要空港に支局、地方に出張所があります。
日本に来た外国人が様々な手続き上の理由でここを尋ねることになるので、例えば私の住む名古屋で「イミグレーション」といえば、名古屋入国管理局のことを言っているのだなと当然に通じます。
この入管法と入国管理局も頻繁に出てきますので覚えておいてください。
まとめ
今回の話をまとめると・・・
◯外国人の出入国を管理するのは各国の自由であり、それぞれ管理方法も異なる。
(その国に行きたいからと言って、それにケチをつけたり文句を言ったりするのはお門違いである!)
◯日本の外国人管理方法は「在留資格」制度!
(日本にいる外国人はほぼ100%「在留資格」を持っている)
(その実行部隊である「入国管理局」も重要)
以上。
前提:文化の違いがあることを理解する
前提のお話
こんにちは、申請取次行政書士の王子です。
本日は法律や制度の話ではなく、少し抽象的な話をします。
外国人と関わる上で欠かせない【文化の違いがあること】についてのお話です。
そんなもん言われんでもわかっとるわ!という方はこの記事は飛ばして頂いて結構です。
どんな違いがあるか
有名な曲の一節
「育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない~」
からもわかるように(?)外国人と我々日本人は育ってきた環境が違います。
日本人の当たり前が外国人には通用しないこともあります。
時間に当たり前のように遅れるとか、、
言ってたことと話が違うとか、、
クセがすごい料理食べてたりとか、、
宗教的なことだったりと
(まぁ外国人に限ったことでもないかもしれませんが・・・)
もちろん日本で生活するのであれば、それなりに日本の文化に合わせて習慣をチューニングしてほしいところではありますが、変えない・変わらない・変えたくないアイデンティティがそれぞれの国にあるでしょうから、我々もそれを理解しなければならないです。
お互いの文化を知って、尊重し合うところから外国人との関わりはスタートします。
これは法律や制度以前に知っておかなければならないことですので、当たり前すぎることかもしれませんが、事前に説明させて頂きました。
生の声で知る外国人の思い
日本のような島国にいる外国人は、漂流したりしていない限り、迷い込んで辿り着くなんてことはありませんので、自らの意志で日本にやってきていることになります。
つまり日本に来たくて来ているのです。
日本で生活しているとなかなか気づきませんが、日本は外国人に人気なのです。
どうやってでも(不正な手段でも)日本で生活したいと思っている外国人もいます。
正直、外国人との関わりがまだまだ浅い私は、「なんでそんな日本来たいん?」って思っていました。
なので、外国の方に直接訊いてみたところ、ある人がこう答えてくれました。
「向こうの一日(の稼ぎ)がこっちでは1時間だもん、日本来たいよー…!」
馴染みの通訳さんにも訊いてみたところ
「安心・安全だしみんな日本に来たいんですよ」と
【安心・安全・賃金が高い】というのは非常に魅力的なのですね。
テレビやネットなどでは
「サムライ!フジヤマ!アニメダイスーキー!」といった文化面重視で魅力を語られることが多く感じますが、先程の理由を見ると非常にリアル感がありますよね。
もちろんどちらも魅力ではあると思いますが、自国の家族を食わせなきゃならん切羽詰まった事情がある外国人にとって、なんとしてでも来たい国の一つになっている理由が何であるのか少しわかった気がしました。
話が散らばりそうなのでまとめると、
【外国人との文化の違いを理解しよう】
【(どうにかしてでも)日本に来たい外国人は結構多い】
というお話でした。
ぜひ理解しておいて頂きたいです。
以上。